旧暦12月8日

  ムーチー(餅)、カーサァムーチィ(笠葉)。

子供の健康と家族の健康を願って旧暦のこの日は、各家庭で部屋中にサンニンの香りが充満してます。

ムーチービィサ(餅寒え)・一年で一番寒いこの時期を、8日を目安にこう呼びます。

今年は我が家でもムーチー初挑戦です。サンニンの葉を30枚摘みとり、甘い匂いで子供時代にタイムトラベルしました。


満足におやつなどに出会えない頃、甘いお菓子が店先に並ぶ駄菓子屋を うらめしく素通りしていた小学生時代。ガラス製品が貴重で醤油瓶を集めて、泥や汚れを洗い流すと5¢で売れます。手に入れた硬貨を、ズボンのポケットにしまうと、落とさないように手を突っ込み 駄菓子屋までダッシュ!

日本中が貧しい時代だった頃 たくましい子供で溢れていた時代だった気がします。

「物を大切にしよう!」なんて声高に誰も言わなかった 当たり前の時代が遠くにありますね。・・・ムーチーは私たち世代の、年に1度の大イベントでした。

自分の齢の数が、貰える数になります。兄弟の年齢差が確実に見せつけ、多いとか少ないとか小さな小競り合いも当然ありますが 兄貴は偉いんだと5人兄弟の中で認識させる行事かもしれないですね。小さいなりに学習して納得していたように思います。不満に思うよりも早く食べたい気持ちが先だったのでしょうか。

初孫のいる新潟にサンニンの葉で包まれた 沖縄の香りと味が届くのは2日後です、サンニンの餅を食べたいと孫娘がねだってくれるまで、記憶に刻んでくれるまで、後3年程は毎年の恒例行事になりそうです。爺バカ・婆バカ100%の12月8日でした